野次馬トーク(その11)
第77回箱根駅伝・野次馬大賞!
        

野次郎
「1年10ヶ月ぶりのトークになるね。俺達も、しゃべりたくってウズウズしていたが、なかなか出番が無かった。」

馬八
「筆者が2000年4月に、横浜から南国鹿児島に単身赴任してしまって、俺達のトークを出す余裕が全く無かったらしい。」


「後2日で78回の箱根駅伝がスタートするが、77回の野次馬大賞だけでも授賞しておきたくて、超!遅れ馳せになるけど、トークをやることにした。」


「78回を直前に控えて、レースの着眼点チェックとして、前回の復習をしておくのも無駄じゃないしね。」


「77回は「紫紺対決」と言われて、駒大・順大の争いと予想されたが、そのとおり、2校が最後まで競って、見応えがあった。」


「結果は、10区で逆転して、順大が2年ぶり10度目の優勝を飾った。」


野次馬大賞だが、まずMVPから行こうか。
優勝した順大の選手の中で、2位駒澤との差をもっとも広げた選手、あるいは勝利への流れを作った選手が上げられる。」


「タイム差で見ると、4区野口が駒大に2分30秒差、6区宮井が0分52秒差、アンカー宮崎が3分12秒差と宮崎が最大だが、やはり往路で流れを作った野口の活躍が光る。MVPは野口だね。」


「次に新人王に行こう。」


「77回で1年生が走った人数を区間別に見ると、1区7人、2区2人、3区3人、4区1人、5区2人、6区3人、7区4人、8区1人、9区0、10区1人、計24人で、前回の26人より2人、前々回75回の27人より3人少ない。
ただ、1区が7人で、50回以降ここ28年間で見る限り最多になり、1区に優秀な新人が集中したとも言える。」


「ここ数年の1年生での区間賞を見ると、76回では5区藤原1人、75回では柴田が5区・相馬が8区と2人いて、74回はなし、73回は山学・松下が3区、古田が8区、72回は神大渡邊聡が7区で取っている。」


「今回の77回は残念ながら区間賞はゼロだった。2位に入ったのが7区の神大・吉村、3位になったのが、4区の法大中村、8区の山学高見沢の2人。」


「新人王は、7区区間賞の揖斐と3秒差で区間2位に入った神大吉村が文句無しの受賞だね。」


最多追い抜き賞は、2区平国大のカーニーが8人抜きだった。鶴見で14位でたすきを受け、8人抜いて、6位で戸塚へ入った。三代の区間記録更新はならなかったが、平国大の予選会から初出場で往路5位という、快挙の原動力となった。」


「区間で、2位に大差をつけた「ブッチギリ賞」も、2区のカーニーだね。2位徳本に1分16秒の差をつけている。
2番目が4区の野口でムヒアに51秒差だった。」


飛躍賞、これは前回の成績に比べて飛躍的に伸びた選手だが、雪辱賞と言えなくも無いね。」


「神大のハヤケンこと林健太郎が、前回の76回にインフルエンザの影響で、5区15位と低迷したが、今回は8区で2位と躍進、神大の復路2位シード権確保に貢献した。
法大竹崎も、75回8区15位、76回8区11位だったが、今回3区2位と大躍進だった。」


「次にアグレッシブ賞
これは特に攻撃的な走りを見せた選手だが、2区の法大徳本・駒大神屋と9区の駒大高橋正仁かな。徳本・神屋は、花の2区で、順大岩水・中大板山・神大相馬らと先頭争いして、後半抜け出て2人で最後まで激しいトップ争いを演じた。
9区の高橋正仁は、1位順大と28秒差の2位でたすきを受け、猛烈なペースで高橋謙介を追い上げた。まさにアグレッシブそのものの走りだ。」


技能賞も9区高橋正仁だろうね。謙介と並走してからの心理的駆け引きは見事だった。ラスト1.5kmで絶妙なタイミングでスパートして、謙介を離し、区間賞を取って2強の一方の意地を見せた。」


「金星殊勲賞は、拓大杉山だね。山登り5区で、12位でたすきを受けたが、着実な走りで、2人抜き10位に上げ、区間タイムでは本命中大藤原をわずか2秒だが上回って区間賞を取った。全く予想外の区間トップだった。」


代役賞杉山じゃないか、当初5区は別の選手の起用を考えていたらしい。」


脇役賞は目立たなかったが、たすきを渡した次の選手の活躍のお膳立てをした選手だ。」


「駒大8区の武井・中大4区池田だね。池田は4区で野口に交わされ、通算は3位に下げたが、区間4位で、5区藤原の逆転往路優勝ゴールの下地を作った。駒大8区武井はずっとテレビに映っていて目立たなかった訳ではないが、これも予想外の区間賞で9区高橋正仁の順大謙介急追の舞台を用意した。」


雑草賞は無名校出身で無名の選手が活躍した場合だが、今回は3区区間6位の順大中川と、10区区間2位の早大鈴木陽介だろうな。」


「順大中川は岐阜の益田南出身で、早大鈴木陽介は浜松北出身で両校とも陸上長距離有名校ではない。鈴木は10区区間2位と最後の追い上げで、9位山学と30秒差まで迫った。」


カムバック賞だが、今回は目覚しい復活を遂げた選手は見当たらないね。該当無しだね。」


最優秀粘り賞は、法大5区大村だろうな。箱根最高点を過ぎてから順大奥田に迫られたが、何度か抜きつ抜かれつの粘りを見せ、多くの人に感動を与え、法大に大村ありとアピールした。」


スマイル賞はやはり、笑顔でゴールした順大宮崎だね。」


感涙賞は、2区で途中棄権した東海大伊藤だろう。伊藤は前回は3区で6人抜きの活躍で最多追い抜き賞を取ったんだが、風邪には勝てなかった。」


「山学10区の長谷もフラフラになって、一時は棄権かと心配されたが。」


「こちらは感涙賞と言うより、ハラハラ賞といった感じだね。」


「4年生で、最後の最後に初めて箱根で活躍した選手に「遅咲き賞」というのはどう?」


神大10区は4年生を起用するのが、ここ数年恒例になっているが、今回も4年生青陰が最初で最後の箱根になった。区間3位とシード権確保に貢献した。さっき出た早大10区鈴木も最初で最後で遅咲き賞だね。」


連続区間賞を取ったのが4人も出てきた。
3区帝京北島・4区順大野口・7区駒大揖斐の3人が同じ区間の連続賞。さらに駒大高橋正仁が区間は変ったが、前回10区・今回9区と連続して区間賞を取った。連続区間賞は74回・75回の6区神大中沢以来、2年ぶりだ。」


4年連続出場賞というもある。
4年生が42人出ているが、そのうち、順大高橋謙介・宮井・宮崎・日大塩見・渡辺尚幹・大東真名子圭・日体大佐藤洋平の6人だけが4年連続箱根出場を果たしている。」


「これも去年まで無かった賞で、「びっくり賞」を設けよう。」

「まず6区法大長嶺が復路スタート審判のミスで、25秒遅れてスタートすることになった。その分早く後ろの駒大松下に追いつかれたが、後半粘って差を広げられずに力走した。」


「これは「びっくり賞」と言うより、「ちょっと待った賞」って感じだね。
10区の京急蒲田駅横の踏切では、羽田空港行の電車が国道15号線を横切り、帝京村野・日大清水貴の2人が、その間16秒足止めをくらった。
京急の羽田空港乗入れが2年前から始まって、いつか足止めがあると思ったが、とうとう今回止まってしまった。」


「京急蒲田駅の高架化の計画があるようだが、全然工事を始める様子が見られず、しばらくは関係者の冷や冷やが続くんじゃないかな。」


「最後にこれも新企画で、各校別の最優秀選手を表彰しよう。」


「15大学全部について、それぞれ一番活躍した選手を表彰しようというものだね。」


「まず優勝した順大は、最初に上げたように、MVP野口で決まり。」


2位駒大は、2区で先頭争いして区間3位だった神屋・7区区間賞の揖斐・8区区間賞の武井・9区区間賞の高橋の4人の活躍が目立ったが、敢えて最優秀と言えば、やはり高橋だろうね。」


3位中大は、1区区間賞の野村と、5区区間2位の藤原が候補だが、ここは敢えて区間賞の価値を認めて野村としよう。」


4位法大は、全員が前回29秒差でシード権に達しなかった悔しさを晴らす走りを見せた。
10人の区間順位を見ると、1区黒田が3位・2区徳本2位、3区竹崎も2位、4区中村3位、5区大村7位、6区長嶺6位、7区奈良沢4位、8区高橋9位、9区土井2位、10区早川13位と、軒並み持ちタイム以上の実力を発揮した。最優秀選手は徳本以外にないね。」


5位神大は、区間2位が1区飯島と7区吉村の2人だが、1区飯島は中大野村と同タイムながら2位と、神大初の1区区間賞を惜しくも逃した。吉村は新人王取ったし、神大最優秀選手は飯島だね。」


6位大東。往路は誤算続きで13位に沈んだが、復路で優勝候補の一角としての本領を発揮、復路2位で総合6位に入った。復路で6区金子と10区真名子の2人が区間新の区間賞取ったが、復路のスタートで弾みをつけた金子が最優秀選手だ。」


7位帝京。往路1区・2区・3区で3年生の3本柱が走り、往路6位と健闘した。
中でも2年連続区間賞の北島が最優秀選手だ。


8位日大。往路も復路も総合も全部8位という、超平均的な成績。区間でも目立った選手はいず、かといって大崩れもしないという選手ばかりで、最優秀選手として選ぶのも難しいが、1区中谷が区間5位で一番良かったから中谷に決定。」


9位山学。74回の横田・大崎以来区間賞から遠ざかっていて、ここも、飛びぬけた成績の選手がいないが、7区区間3位に入った高見沢が最優秀選手。」


10位早大。エースキャプテン佐藤の欠場で、往路11位、復路5位、総合10位で、9位山学と30秒差で惜しくもシード権を逃したが、復路5位の立役者はアンカー区間2位鈴木で、最優秀選手は鈴木に決定。」


11位日体大。区間順位一桁が1・2・3・8・9・10区と6人いて、二桁の4区間も11・12・12・12位と大きなブレーキはないが、総合11位に甘んじた。その中で区間順位が一番良かったのが8区の解良選手で区間5位。最優秀は解良選手。」


12位拓大。往路10位・復路9位だったのに何故か総合12位だった拓大。これは往路で下にいた神大・大東・早大が復路で逆転して上に行ってしまって、拓大が取り残された結果。最優秀は5区山登り区間賞の杉山。」


13位平国大。往路5位と大健闘だったが、カーニー・ムヒアの留学生だけでなく、3区米山が区間4位と健闘したのも大きい。復路は14位で実質最下位となった。最優秀はカーニーだが、米山にも優秀選手賞を上げたい。」


14位國学院。初出場で繰上スタート無しで、たすきを無事につないだのは立派。区間順位は9人が二桁になってしまったが、最優秀選手は7区で唯一一桁を達成し、区間6位に入った山岡選手。」


途中棄権の東海大は、1区米田以外の8選手の記録は非公式記録だが、復路7区で6位相当になる河野が最優秀選手。」


【78回箱根直前予想】


「ついでに78回箱根駅伝の直前予想をしなきゃね。」


「優勝候補は、1万m上位10人平均が28分台と驚異的なスピードの駒大が大本命で、まず動かないと見るのが大方の一致するところだな。」


「順大岩水が肉離れで9区にエントリーして、出場が危ぶまれているが、彼が出ないとなると、駒大がますます有利になってしまう。」


「上位を争うと見られるのが、中大・法大・神大・大東・帝京・日大・山学・早大の8校だ。この中からシード落ちする大学が必ず出てくるんだから、上位争いとシード権争いが渾然となって、相当熾烈だね。」


「12月31日に放送された、BS日テレの「箱根駅伝・直前スペシャル」で、解説の碓井氏が、優勝候補はやはり駒大としている。
その中で、母校中大について、2区に花田がエントリーしているが、故障上がりで野村に変る可能性が強く、藤原は5区じゃないかと予想していた。また1区関東学院尾田が飛び出すかどうかについて、これも故障上がりで、飛び出しは無いんじゃないかと言っていた。5区までは大きな差がつかないんじゃないかとの見方を示していた。」


「駒大絶対有利は動かないが、暮の高校駅伝のように大本命の男子大牟田・女子立命館宇治が、両方とも1区のブレーキで優勝を逃したように、駅伝では何が起きるかわからない。」


「『駅伝って一人のブレーキがチームにとって致命傷になり、非常に残酷なスポーツだ』と誰かが言っていたが、ホントに今回の高校駅伝は一人のブレーキがチームに決定的なダメージを与えることを示したね。」


「箱根は大学駅伝なんだから、各チームとも10人全員がブレーキ無しで、実力をフルに発揮して走って欲しいね。」