箱根駅伝野次馬トーク(その3・都道府県対抗男子駅伝)
 
【福岡の優勝】
 
馬八
「先週1月18日の広島での都道府県対抗駅伝は、福岡の圧勝だったね。」
野次郎
「うん。地元広島と福岡の争いと見られていたが、広島のアンカー国近が猛烈に追い上げたものの及ばなかった。福岡は2年連続アンカーで逆転され2位に甘んじていて、今年こそは絶対に優勝するという意気込みがあった。」
馬八
「駅伝は気持ちの持ち方ではっきり差が出てしまうもんだということを痛感させられたな。特に福岡の大牟田高校勢2人が、京都の高校駅伝では西脇工に敗れて2位に終わったが、その鬱憤を晴らしたという感じだな。」
野次郎
「福岡は高校生3人が区間5位・4位・1位としっかり上位をキープしたのと、中学生の2人も区間1位・3位と素晴らしい走りをしたのが最大の勝因だと思う。社会人の磯松大輔・川内勝弘の頑張りも凄かったが、やはり高校生・中学生の力走がなければ優勝できなかったと言ってもいいと思うな。」
馬八
「広島は、3区社会人の内富から4区・5区の高校生・6区中学生までいずれも調子が上がらなかった。神大に進学予定の世羅高校の田中俊也が4区を走って、2度目の優勝に貢献するんじゃないかと期待されたが、区間19位で持っている力を出しきれず、ちょっとブレーキになった感じだ。」
野次郎
「田中は有田工の杉山・土岐商の揖斐と並ぶ高校長距離のトップクラスとも言える力を持っているんだが、調子が悪かったようだ。でもこの悔しさをバネに神大でしっかり力をつけて箱根で活躍出来るよう頑張って欲しいな。」
 
【神大勢】
馬八
「神大勢の記録もいまいちだったね。」
野次郎
「うん。神奈川から渡邊聡が3区、辻原幸生が7区、新潟から岩原正樹が7区、徳島から小松直人が7区、和歌山から中野幹生が3区と計5人も走った。高津智一も神奈川代表で、大会前日の開会式で選手宣誓をやっている姿をNHKのニュースで見て、じゃ出るんだなと思って楽しみに見ていたら、本番では走らなかった。また野々口も京都のメンバーだったが走らなかった。
神大勢は渡邊が29位から6人抜いて23位に順位を上げたし、岩原も38位から35位へ3人抜き、中野も41位から33位へ8人抜きをやっている。が小松は12位から16位へ、辻原は19位から26位へと順位を落としている。5人の区間順位は、3区9.2kmで渡邊で21位(27:16)、中野が22位(27:17)と続き、7区14.5kmで岩原が26位(44:15)、小松が32位(44:33)、辻原が44位(45:10)となっている。」
馬八
「やはり、箱根の疲れが残っていたのかな?」
野次郎
「そうかもね。神大勢は箱根にピークを合わせて全精力を使い果たして、その2週間後のひろしま駅伝では、調子が合わなかったのかもしれないね。」
馬八
「過去2回の神大勢の活躍はどうだったっけ?」
野次郎
「第1回で3区に市川大輔が出て、26:30で区間8位と健闘し、7区で重田眞孝が43:51で25位に入っている。同じ7区でOBの中野剛(佐川急便)が和歌山代表で、44:21で区間35位だった。
また去年の第2回では7区に市川大輔が42:53で区間18位に入っているし、岩原が早稲田の小林雅幸の代役で新潟代表から7区に出て、43:36で今回と同じく26位に入っている。」
馬八
「そう言えば、去年の第2回には今回の箱根山登り驚異的大逆転の勝間が出ていたよね。」
野次郎
「勝間は洛南高校の3年生として、京都代表で1区を走り、区間13位だった。京都チームでは今年の箱根の日大3区を走って区間9位と健闘した塩見雄介が福知山商から5区に出ていて区間9位だった。京都チームは中学生は25位・33位と必ずしも良くなかったが、実業団から旭化成の高尾憲司、鐘紡の高岡寿成が故郷選手で出て、それぞれ区間賞を取っており、この二人の活躍が効いて、初優勝している。まあ、今年の福岡が磯松・川内の故郷選手を呼んで、優勝したのと同じで、優勝狙いで実業団の強力な二人を走らせた訳だ。」
馬八
「勝間ら高校生にとっては、社会人トップクラスと同じチームで優勝できて、得がたい経験だったろうな。」
野次郎
「去年の大会での神大関係者としては、この他、去年入学して今1年生の豊川工の鈴木健太郎が愛知から4区を走って7位、同じく去年入学した岡山興譲館の青陰寛が4区23位だった。また今年入学する大牟田の土谷修が2年生ながら福岡から4区を走り11位と健闘している。同じく今年入学する浜松商の金原良征(2年生)が1区で26位だった。」
馬八
「去年の話はそれ位にして、今年の第3回には、広島の田中俊也の他にも、今年神大への入学予定者が走っているようだね。」
野次郎
「うん。1区でさっき上げた静岡の浜松商の金原良征が1区で15位、同じく1区で栃木大田原の相馬雄太が36位に入っている。また4区で山口萩工の吉富一成が16位だ。」
 
【神大以外の箱根関係選手】
馬八
「この都道府県対抗駅伝では、神大以外でも箱根を走った選手が沢山活躍しているね。」
野次郎
「2週間前の箱根を走った大学では神大が5人と一番多く、次いで駒沢の4人、日体大の3人、早稲田・東海の2人、順天堂・日大・拓殖が各1人ずつ走っている。この他予選会だが、亜細亜と国士館から1人ずつ出ている。
その中で何といっても目立ったのは、駒沢の佐藤裕之だな、埼玉のアンカーとして上位争いに最後まで絡んで区間4位(42:47)に入ったのは素晴らしかった。箱根9区区間賞の好調さをそのまま維持したような走りだった。
この他7区では順天堂の三代直樹が島根から出て8人抜きをやって区間6位(42:47)。日大の山本佑樹は静岡から出て8位から10位へ2つ順位落して区間14位(43:23)といまいちだった。国士館の小川博之も福島から出て区間13位(43:23)と山本佑樹と同タイムだった。
また3区では早稲田の佐藤敦之が福島から出て9人抜きをやって区間7位(26:41)、同じく早稲田の山崎慎治が佐賀から出て5人抜きをやって区間11位(26:46)だった。
なお、山梨学院の古田が静岡のメンバーに入っていたが走らなかったし、その他山梨学院のメンバー3人(大崎・近野・浜田)いたが、結局誰も走らなかった。」
馬八
「神大以外に進学予定の高校生も活躍しているよ。」
野次郎
「箱根の有力大学に進学予定の高校生では、さっき名前の出た、佐賀有田工の杉山(中央大へ進学)と岐阜土岐商の揖斐(駒沢へ進学)が、それぞれ4区の区間1位と3位に入ったが、その他同じ4区で順天堂進学予定の兵庫西脇工の奥田真一郎と大阪清風の野口英盛が5位・6位に入っている。
また、5区では、駒沢進学予定の兵庫西脇工の神屋が区間2位、早稲田進学予定の長野伊那北の矢花誠が3位に入り、順天堂進学予定の鹿児島実の入船満が8位に入っている。
さらに1区でも亜大進学予定の長崎諫早の前田和之が区間6位、大東大進学予定の浦和実の林昌史が9位、中央大進学予定の倉敷の奥山典秋と愛工大名電の花田俊輔がそれぞれ12位・16位に入っている。」
馬八
「ということは、神大をはじめ、駒沢・中央・順天堂がかなり高校長距離の有力選手を集めていて、それらの選手がそれなりに力を見せたということかな。」
野次郎
「今回の都道府県対抗駅伝の成績では確かにそうだが、高校生は5000mと10000mまでだからな。箱根では20kmをきっちり走る力をつけないと駄目で、高校時代の倍以上の相当厳しい練習を積んで一皮剥けないと、高校生の力のままでは箱根には通用しないんじゃないかな。勿論素質のある選手たちだから、順調に伸びてくる可能性は高いと思うけど。」
馬八
「やはり、今までの神大のように、高校時代は全く無名だった選手が、大学で一生懸命きつい練習をこなして力をつけて、箱根で頭角を現すことも多いんであって、必ずしも高校時代の力だけで箱根の優劣は決まらないよな。」
野次郎
「そこが箱根の面白さでもあるんじゃないかな。」