箱根駅伝野次馬トーク
(その4 雑誌などに見る箱根駅伝&ロードレースの結果)

【雑誌などに見る箱根駅伝】

野次郎
「箱根駅伝が終わってもう3ヵ月以上たったが、この3ヵ月間にマスコミに現れた箱根関係の記事などをひと通り眺めて感想を述べてみよう。」
馬八
「陸上競技専門2誌(『陸上競技マガジン』と『月刊陸上競技』)の2月号の箱根成績特集については別格なので、紹介・感想は省略しような。

まず手始めに『Focus』の1月14日号に載った優勝報告会での勝間選手の写真だが、『神大の黄金時代!?−1年生の驚異の快走で今年も総合優勝』と題している。」

「これはインターネットの新潮社のHPにもそっくり載っており、Saijo'sHPからもリンクが張ってある。」

「同じ写真週刊誌の『FLASH』の1月21日号では、『箱根駅伝新伝説・・・神大V立役者と山学大エースの明暗。快走した1年生ヒーロー勝間クンと無念欠場した傷心の古田クン、それぞれの波乱ドラマ』と題して、勝間選手がたすきを誇らしげに見せる写真(大手町での表彰式の前後らしい)と、欠場した山梨学院古田選手のフードを被って座り込む姿(ゴールの近く)を載せている。」

「両誌は去年も神大優勝を取上げていたね。『Focus』は『骨折失格から一転優勝・神大の科学トレ』と題して高嶋選手にビールを注ぐ大後コーチ(当時)の写真を載せ、雑草集団が乳酸値測定などの科学的トレーニングで優勝をつかんだと書いていた。一方『FLASH』は4年間故障続きだった今泉選手と怪物新人古田選手を取上げ、チタンテープ・水晶ネックレス(神大)とスパイラルテープ(山梨)の争いに焦点を合わせていた。」


「『Number』の1月29日号(436号)Number Eyesに、『圧倒的強さで神大が二連覇達成した。箱根駅伝に感じた物足りなさ。』と題した解説記事が載っている。内容は、優勝した神大が物足りないのではなく、負けた他のチームが『絶対にひっくり返すという気迫に欠けていて』不甲斐ないから物足りないといっている。」

「確かに、がむしゃらに勝ちに行くという姿勢が見られなかったとの見方も出来なくはない。それじゃ、神大以外の他のチームが、つぶれてもいいから、とにかくガンガン飛ばすレースが出来たかというと、必ずしもそうとは言い切れないし、各チームとも全力を出しきった結果と見れなくもない。

去年の『Number』1月号でも神大初優勝を4ページにわたって大きく取上げ、『特別素質のある選手がいなくても、基礎から積み上げて優勝を果たした神大は、箱根駅伝にひとつの方向を与えたかもしれない。』と書いていた。」


「月刊誌の『現代』3月号に『大学紛争が神奈川大「箱根V2」を産んだ』と題してルポライターの米本和広氏がやや長い論文を書いている。
学生運動過激派・社青同解放派の拠点になっていた神大だったが、彼らを追放して、その後神大を明るくするため、箱根駅伝の復活を目指したというもの。選手強化のため、日体大大学院を出たばかりの、大後栄治青年をコーチに招き、意識改革を図るとともに、乳酸値測定による科学的トレーニングを取り入れ、着実に力をつけてきたこと、またOB・父兄・地元商店会などで作った「勝手連」が財政面を支えてきたことなどが詳しく述べられている。」

「まさに神大の強さの秘訣が明らかにされているといって良いね。」


「朝日新聞の2月1日の『歌壇』に、こういう短歌が載っていた。
     駅伝のタスキつなぐに十三秒足らざりし学生の鳴咽が聞こゆ
                    (南陽市)鈴木 登紀
歌壇の選者(馬場あき子)は次のように評している。
『駅伝のトップとの差が埋めきれず、継走のタスキが渡せなかった選手の号泣をテレビで見ていたのだろう。走者の悔しさに涙を感ずる作者の姿も感じられる。』」

「帝京大の8区山口選手のことだな。彼のところで初めてタスキが途絶えたが、区間順位は9位で帝京大の中では一番良かった順位だ。7区までの遅れのつけが彼のところに回ってきて顕在化したんだ。でもTVで見ていたかなりの人があのシーンに胸が詰まったと思う。やはりドラマティックだった。」


「『ランナーズ』4月号に、上岡龍太郎の「本日のお題」のシリーズで「駅伝を怪しむ!」と題して、『箱根駅伝を蒲田で生で見たが、あっという間に通り過ぎて面白くも何ともなかった。』また『ここ数年の男子マラソンの弱体化と箱根駅伝の人気との相関関係がないか。花の2区とか山下りのスペシャリストと言う美辞麗句はランナーをつぶすことになっているのではないか。今の駅伝はテレビ局の作ったスポーツショーに過ぎない。』と書いている。」

「一時期、箱根に限らず駅伝全般がマラソン選手を駄目にしているという議論が出た。今もそれはくすぶっているといって良いよね。10キロから20キロ位までのスピードを重視する結果、持久力がつかなくなっているとの議論だったと思う。でも、古くなるが瀬古利彦も谷口浩美も箱根経験者だったし、特に谷口は57回から59回まで3年連続6区山下りで区間賞を取っている。単純に箱根元凶論には賛成できないな。」

「この半年足らずの間に早田俊幸(2:08:07)・佐保希(2:08:47)・小島宗幸(2:08:43)・清水昭(2:09:11)・清水康次(2:09:57)と2時間10分を切ったいわゆるサブテンランナーが5人も出てきて、日本の男子マラソンもようやく復活の兆しが見えてきたと言われている。このうち箱根OBは清水康次(大東大)だけ。箱根OBからもどんどんサブテンランナーが出て、世界の頂点に立って欲しいね。」

「全く同感だ。箱根の20km以上の距離をこなすための練習は、マラソンへのステップとしても、意味のあるトレーニングだと思う。決して無駄やマイナスにはならないはずだ。」

【ロードレース】

「この3カ月間のロードレースの結果も見ておこう。まず2月1日の別大毎日マラソンだが、清水昭が後半驚異的な追い上げを見せて2:09:11で優勝したのは知られているが、同じ別大毎日のハーフマラソンで神大関係の3人が活躍しているね。」

「そうなんだ。去年の箱根4区でトップに立ったOBの藤本大輔が1:04:07で2位、前キャプテン中野幹生が1:04:01で3位、大牟田高から神大に入学する土谷修が1:04:23で6位と上位に並んでゴールした。藤本は中電工に所属し、元旦の全日本実業団のエントリーメンバーに入っていて、当然走るものと思っていたが出なかった、でもこの別大毎日ハーフで健在振りをアピールした。土谷は高校生としては余り経験できない20km以上をきちんと走れた訳で、神大では即戦力として活躍が期待されるね。」


「3月1日のびわ湖毎日マラソンでは、旭化成の小島宗幸が2:08:43で優勝し、一躍シドニーオリンピックの有力候補に名乗りを上げたが、箱根OBでは、清水康次(大東大・NTT中国)が2:09:57で3位、早稲田OBの池田克美(NEC)が2:14:23で6位、岩本照暢(日大・積水化学)が7位、綱崎真二(中央・九電工)が10位、宮田修一(法政・コニカ)が11位、藤野英之(東農大・NTT東京)が12位、ヱスビー食品の神大OB近藤重勝が、2:15:12で14位に入った。また神大OBの小田典彦(NTT中国)が2:21:38で54位に入っている。」

「近藤重勝は、神大卒業直前の去年のびわ湖が初マラソンで、2:15:24で15位だったから、それに比べて少しだけ順位も記録も良くなったが、やはり出来れば10分を切って欲しかったし、悪くても12〜13分台で走って欲しかったな。余りテレビ中継にも映らなかったが、次のレースに期待しよう。」


「3月8日の京都シティハーフマラソンで神大渡邊聡が5位に入った。」

「駒沢の佐藤裕之が1:02:13で4位、渡邊が1:03:11で5位、山梨森政が1:03:39で6位、ワチーラが1:03:45で7位だった。神大渡邊も悪くないが、駒沢佐藤裕之の正月の箱根以来の急成長が本物だということを見せつけた感じだ。その他箱根のランナーがいっぱい走っている。皆、世界的なランナーと一緒に走って良い経験だったと思う。
蛇足だが、渡邊聡の自己紹介?が『月刊陸上競技』4月号(166ページ)の『 My Privacy』のシリーズに載っているよ。」


「同じ3月8日の仙台ハーフマラソンでは、神大の岩原正樹は1:05:44で9位だったが、駒沢の大西雄三が1:04:14で2位、東海大高塚和利が1:04:39で3位、日体大の佐藤洋平が1:05:18で6位、駒沢の前田康弘が1:05:33で8位だった。

また、2月15日の青梅マラソン30kmでは早稲田の梅木蔵雄(中国電力へ)が日本人トップの1:33:35で2位、神大OBの中野剛(佐川急便)が1:33:57で4位、亜細亜大の菅野邦彰(富士通へ)が1:34:33で7位に入っている。」


「この他、神大勢は出ていないが、3月1日の篠山町での第2回日本学生マラソン選手権で順大の三代直樹が優勝した。2:19:59とタイム的には去年の1位池谷真輝(大東大)2:15:41、2位菅野邦彰(亜大)2:15:53には及ばなかった。

2月22日の熊日30キロロードでは、早稲田OBの渡辺康幸(ヱスビー食品)が1:29:47で優勝し、復活を強くアピールした。駒沢の藤田敦史が1:30:21で2位、日大の山本佑樹が1:31:35で3位、東海大諏訪利成が1:32:23で6位に入っている。
渡辺康幸はいずれマラソンに復活するだろうが、サブテンは勿論で、是非2時間8分台か7分台を狙って欲しいね。

また、3月8日の立川マラソンのハーフで東海大諏訪利成が1:02:36で1位、早稲田の山崎慎治が1:02:55で2位、駒沢の橋本健作が1:03:17で3位に入った他、拓大の東勝博ら箱根ランナーが多数走っている。
早稲田の山崎は4月4日の6大学対抗の5000mでも14:06:03を出し、1位になっており、今年の早稲田の牽引役として、十分期待できそうだ。」


「4月に入って、トラックシーズンが開幕し、5日の選抜中・長距離熊本大会の1万で、中央OB武井康真(ヱスビー食品)が28:53:12で1位、2位が山梨のワチーラ28:59:13、3位が東海大諏訪利成29:11:44、4位神大渡邊聡が29:14:24となっている。」

「これからトラックの大会が続くが、おれ達もしっかりフォローして行きたいね。」

【全日本大学駅伝シンボルマークを募集】

「話が変るが、朝日新聞が第30回全日本大学駅伝対校選手権を記念して、大会のシンボルマークを募集している。(4月16日付け朝日新聞)1席賞金50万だってよ。7月15日締め切りで8月上旬に発表されるらしい。
ひとつ応募してみないか?」

「デザインのセンスに自信があれば出してみたいところだが、ちょっとなー。でも、HPを見た人で我こそはと思う人はどんどん出してみたら良いね。」